母の手作り味噌ができるまで

バーオハナの味の秘密 母の手作り味噌ができるまで

母の味噌作りを手伝ってきました(5月のゴールデンウィークに、お店をお休みさせていただいたのは、実はこのためでした)。

まず庭の納屋から道具を出します。
(この納屋からして東京じゃ真似できないのよね〜)

ちなみに、、、実家では、2〜3週間に1度、湧き水を汲みに出かけます。大きなペットボトルをクルマのトランクいっぱいに汲んだお水は、この納屋に保管されます。

唐辛子も作って、つるしておけば、いつの間にか自家製鷹の爪! てか、穫ってきたものを自然に置いておいたら、保存食になっていくわけですね〜。

1日目

もろぶたやら、ざるを洗って干しました。

お米と丸麦、大豆を洗って、一晩たっぷりのお水につけます。

さあ、明日は朝から味噌作るぞ〜!

とか言いつつ、

深夜まで母と話しこんでしまいました、、、あとからちらっと父も乱入〜!

2日目

朝ご飯もしっかり食べて、、、さて始めますか!

薪に火をつけて、さあ、まずはお米1.5kgと丸麦6kgを蒸します。

味噌屋さんだったら大きな道具があるんでしょうね〜。
小さい道具なので、3回に分けて蒸すことにしました。

薪は、なんと日々拾ってくるそうです!
薪代も節約〜(笑)。

てか、庭で焚き火なんて東京じゃ禁止です(笑)。

まぁ庭自体ないんですけど、、、

この日はなんと、真夏日!
火のそばは、あっついのなんのって、、、

くべては、部屋に戻り、を繰り返しました。
部屋の中が、エアコンをつけているかのように涼しくてびっくり☆

蒸しあがったかどうかチェックします。
やっぱ時間じゃないよね〜。
触って、食べてチェック!

蒸しあがったら、もろぶたに広げて冷まします。

ゴールデンウィークだったので、お向かいもお隣のおうちも、子供たち(孫たち?)が帰ってきていて、気がつくとベランダから興味深そうに覗いていました。

「降りてきて一緒にやろうよ〜!
お母さんと小さい頃毎日遊んでたんだよ〜!」

何度誘っても、結局降りて来てはくれませんでした、、、(笑)

人肌に冷めたら、麹をまぶします。

混ぜ混ぜ、、、

混ぜ混ぜ、、、

混ぜ混ぜ、、、

大豆も蒸します。
1.5kgを約3時間、、、

伯母(&叔母)やら母のお友だちが、

「お味噌作ってるんだって〜?!」

と、

集まってくれました(伯母と一緒に)。

で、思いがけず大勢でのお昼ご飯になって、

「みんなで食べると美味しい!」
と父、大満足(笑)。

うどんを茹でました。
こんな大きなお皿があるとは!

余談ですが、
これが母の作る「とんこつ」です。
今の時期は、たけのこ最高♪

もろぶた3つ分できました。

私が9kgの17%の計算の仕方が分からず(!!)、母に怒られ&呆れられ&笑われながら、塩を混ぜました。

17%ですが、暖かい時期だったので、ちょっと多めなんです。これが秋に作る時には、15%だったりだそうです(暑いと15%じゃ足りないらしい)。

この沖縄のシママースという塩ですが、オハナでも使っています。
なめるだけでも美味しいんです!

大豆は、結局蒸し上がるのに4時間を要しました。

伯母いわく、大豆のやわらかさの目安は、薬指と親指で簡単につぶれるくらいなんだそうです。

すごいな〜!

昔の人の知恵! とセンス? に感動!

こういう感覚って素敵ですよね〜!

今の料理本には載ってないですよね。

次の世代に伝えていくのって、大切だなぁと思いました。

大豆に塩をまぶして、お餅つき機で混ぜます。

こうしておくと、わるくならないそうです。
冷蔵庫要らず!

大豆とお塩がよく混ざったら、お団子にします。

3日目

部屋を閉めきって、麹の花を咲かせます。

温かく、ほんのり甘い香りがします。

黄色の花が咲くまで、しばし待ちましょう。

焼酎で、白麹、黄麹、緑麹もありそうだけど(笑)、黒麹ってあるけど、ほっとけば黄麹が黒くなるってことかな?

なんか麹ってすごいな。

いろんなものが作れるんだな〜。

丸1日以上経って、深夜2時に黄色の麹(こうじ)の花が咲き始めました。

発酵を止めるべく、お塩を上からかけました。
コレで安心して寝れます。

明日はいよいよ、出来上がります♪

4日目

朝が来ました! いよいよ最終作業です♪

大豆だんごと夕べ塩を振った丸麦とお米を混ぜます。

お餅つき機が大活躍!

お餅つき機といえば、使ってない電化製品でいつも上位にランクされるのに(笑)なのに、うちでは大活躍♪

年末にはお餅もつきますよ!

混ぜると、ぴゅんぴゅんと味噌が飛んで笑いながら作業しました。

ふっとスイッチを切ると、あらま、味噌になってるじゃん!
はぁ、コレが味噌なんだ〜。

なんかいきなり味噌っぽくなってびっくりしました。

もろぶたの1段目と2段目、3段目の発酵状態が微妙に違っていて、本当に手作りって感じでした。

しかし、味噌って重い!

ただ混ぜて移し変えるだけなのに、なかなかの力仕事でした。手にもぺとぺとくっついて、これでご飯一膳食べられるくらいだね〜と(笑)。

そして、出来上がりました。

少し冷めたら、カメに移し替えるそうです。←すでに母任せ(笑)

「カメに移し替えるまでちゃんとやんなさい!」と母。

混ぜ終わって味噌に見えたとたん、「終わった〜!」って感じ。1カ月もしたら、食べることができるそうです。半年するとだんだん赤くなってきます。

味噌を詰める時、空気が入らないように詰めます。
空気が入るとダメなんだって! これが全部ダメになっちゃったら大ショックよね〜!

生きてる味噌!
(って、昔そんなCMがあったような?!?)

母は、何十年と味噌を作り続けています。
年に2回、毎年春と秋に作っているようですが、今の今まで一度も手伝ったことがありませんでした。

百聞一見にしかず!
味噌がどんなものなのか、よく分かりました。

今まで味噌って味噌だと思ってました(笑)。
大豆とか、米、麦、麹、塩、、、だったのねぇ、、、

昔の人たちが、今日はどこの家の味噌つくり、明日はどこの味噌つくり、、、なんて、みんなで助け合って作っていたのが、なんとなくイメージできました。

ご近所で助け合い、なんて今はなかなかないですよね〜。

味噌を作りつつ、人とのつながりも作っていたんですね〜。
ちょっとしんみり考えてみたりして(笑)。

次、秋の帰省でも手伝いできたらいいな〜と思いました。

「母の手作り味噌ができるまで」を最後までご覧いただき、どうもありがとうございます!

私の姉も、この母の作った味噌を使っています(写真は姉の豚汁)。毎年、母と父が、ハワイまで持って行っているんですよね(なんと贅沢な、、、)。

バーオハナで使っている味噌には、母をはじめ、たくさんの人たちの愛情が込められています。私も今回初めて実際に味噌作りに参加してみて、あらためてそれを全身で感じました。

母のこだわりの味噌作りをそばで一緒になって見ることができて、とても良い勉強になりました。今後の料理に、もうひとつ隠し味を加えられるなと確信しました。

この味噌を使って、お客さまに料理を楽しんでいただける私は、本当に幸せです。

味噌、大切に大切に使っています。
いつもどうもありがとう。

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