吉祥寺で鹿児島料理 バーオハナ

バーオハナの味の秘密 母の手作り味噌ができるまで

2008年5月10日(土曜日)
母の味噌作りを手伝ってきました。
(5月のゴールデンウィークに、お店をお休みさせていただいたのは、実はこのためでした)
まず庭の納屋から道具を出します。
(この納屋からして東京じゃ真似できないのよね〜)

ちなみに、、、
実家では、2〜3週間に1度、湧き水を汲みに出かけます。
大きなペットボトルをクルマのトランクいっぱいに汲んだお水は、この納屋に保管されます。

唐辛子も作って、つるしておけば、いつの間にか自家製鷹の爪!
てか、穫ってきたものを自然に置いておいたら、保存食になっていくわけですね〜。
1日目
もろぶたやら、ざるを洗って干しました。
お米と丸麦、大豆を洗って、一晩たっぷりのお水につけます。
さあ、明日は朝から味噌作るぞ〜!
とか言いつつ、
深夜まで母と話しこんでしまいました、、、
あとからちらっと父も乱入〜!
2日目
朝ご飯もしっかり食べて、、、さて始めますか!

薪に火をつけて、さあ、まずはお米1.5kgと丸麦6kgを蒸します。
味噌屋さんだったら大きな道具があるんでしょうね〜。
小さい道具なので、3回に分けて蒸すことにしました。

薪は、なんと日々拾ってくるそうです!
薪代も節約〜(笑)。

てか、庭で焚き火なんて東京じゃ禁止です(笑)。

まぁ庭自体ないんですけど、、、
この日はなんと、真夏日!
火のそばは、あっついのなんのって、、、

くべては、部屋に戻り、を繰り返しました。
部屋の中が、エアコンをつけているかのように涼しくてびっくり☆
蒸しあがったかどうかチェックします。
やっぱ時間じゃないよね〜。
触って、食べてチェック!
蒸しあがったら、もろぶたに広げて冷まします。

ゴールデンウィークだったので、お向かいもお隣のおうちも、子供たち(孫たち?)が帰ってきていて、気がつくとベランダから興味深そうに覗いていました。

「降りてきて一緒にやろうよ〜!
お母さんと小さい頃毎日遊んでたんだよ〜!」

何度誘っても、結局降りて来てはくれませんでした、、、(笑)
人肌に冷めたら、麹をまぶします。
混ぜ混ぜ、、、
混ぜ混ぜ、、、
混ぜ混ぜ、、、
大豆も蒸します。
1.5kgを約3時間、、、
伯母(&叔母)やら母のお友だちが、

「お味噌作ってるんだって〜?!」

と、
集まってくれました(伯母と一緒に)。
で、思いがけず大勢でのお昼ご飯になって、

「みんなで食べると美味しい!」
と父、大満足(笑)。

うどんを茹でました。
こんな大きなお皿があるとは!
余談ですが、
これが母の作る「とんこつ」です。
今の時期は、たけのこ最高♪
もろぶた3つ分できました。
私が9kgの17%の計算の仕方が分からず(!!)、
母に怒られ&呆れられ&笑われながら、塩を混ぜました。

17%ですが、暖かい時期だったので、ちょっと多めなんです。これが秋に作る時には、15%だったりだそうです(暑いと15%じゃ足りないらしい)。

この沖縄のシママースという塩ですが、オハナでも使っています。
なめるだけでも美味しいんです!
大豆は、結局蒸し上がるのに4時間を要しました。

伯母いわく、
大豆のやわらかさの目安は、
薬指と親指で簡単につぶれるくらいなんだそうです。
すごいな〜!

昔の人の知恵! とセンス? に感動!
こういう感覚って素敵ですよね〜!

今の料理本には載ってないですよね。
次の世代に伝えていくのって、大切だなぁと思いました。
大豆に塩をまぶして、
お餅つき機で混ぜます。

こうしておくと、わるくならないそうです。
冷蔵庫要らず!
大豆とお塩がよく混ざったら、お団子にします。
3日目
部屋を閉めきって、麹の花を咲かせます。
温かく、ほんのり甘い香りがします。
黄色の花が咲くまで、しばし待ちましょう。
焼酎で、白麹、黄麹、緑麹もありそうだけど(笑)、黒麹ってあるけど、ほっとけば黄麹が黒くなるってことかな?
なんか麹ってすごいな。

いろんなものが作れるんだな〜。
丸1日以上経って、深夜2時に黄色の麹(こうじ)の花が咲き始めました。
発酵を止めるべく、お塩を上からかけました。
コレで安心して寝れます。

明日はいよいよ、出来上がります♪
4日目
朝が来ました!
いよいよ最終作業です♪

大豆だんごと夕べ塩を振った丸麦とお米を混ぜます。
お餅つき機が大活躍!

お餅つき機といえば、使ってない電化製品でいつも上位にランクされるのに(笑)なのに、うちでは大活躍♪

年末にはお餅もつきますよ!
混ぜると、ぴゅんぴゅんと味噌が飛んで笑いながら作業しました。

ふっとスイッチを切ると、あらま、味噌になってるじゃん!
はぁ、コレが味噌なんだ〜。
なんかいきなり味噌っぽくなってびっくりしました。

もろぶたの1段目と2段目、3段目の発酵状態が微妙に違っていて、本当に手作りって感じでした。
しかし、味噌って重い!

ただ混ぜて移し変えるだけなのに、なかなかの力仕事でした。手にもぺとぺとくっついて、これでご飯一膳食べられるくらいだね〜と(笑)。

そして、出来上がりました。

少し冷めたら、カメに移し替えるそうです。←すでに母任せ(笑)

「カメに移し替えるまでちゃんとやんなさい!」と母。

混ぜ終わって味噌に見えたとたん、「終わった〜!」って感じ。1カ月もしたら、食べることができるそうです。半年するとだんだん赤くなってきます。

味噌を詰める時、空気が入らないように詰めます。
空気が入るとダメなんだって! これが全部ダメになっちゃったら大ショックよね〜!

生きてる味噌!
(って、昔そんなCMがあったような?!?)
母は、何十年と味噌を作り続けています。
年に2回、毎年春と秋に作っているようですが、今の今まで一度も手伝ったことがありませんでした。

百聞一見にしかず!
味噌がどんなものなのか、よく分かりました。

今まで味噌って味噌だと思ってました(笑)。
大豆とか、米、麦、麹、塩、、、だったのねぇ、、、

昔の人たちが、今日はどこの家の味噌つくり、明日はどこの味噌つくり、、、なんて、みんなで助け合って作っていたのが、なんとなくイメージできました。

ご近所で助け合い、なんて今はなかなかないですよね〜。

味噌を作りつつ、人とのつながりも作っていたんですね〜。
ちょっとしんみり考えてみたりして(笑)。

次、秋の帰省でも手伝いできたらいいな〜と思いました。
「母の手作り味噌ができるまで」を最後までご覧いただき、
どうもありがとうございます!

私の姉も、この母の作った味噌を使っています(写真は姉の豚汁)。毎年、母と父が、ハワイまで持って行っているんですよね(なんと贅沢な、、、)。
バーオハナで使っている味噌には、母をはじめ、たくさんの人たちの愛情が込められています。私も今回初めて実際に味噌作りに参加してみて、あらためてそれを全身で感じました。母のこだわりの味噌作りをそばで一緒になって見ることができて、とても良い勉強になりました。今後の料理に、もうひとつ隠し味を加えられるなと確信しました。この味噌を使って、お客さまに料理を楽しんでいただける私は、本当に幸せです。

味噌、大切に大切に使っています。
いつもどうもありがとう。
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